くまその筋トレ徒然草

私くまその筋トレの様子や、何かのコンテスト出場を目指したり、筋トレと関係ないことを書いたり、いやらしいことを考えたりするブログです。

徒然草「マッスル北村さん」

ボディビルが世間からどのような評価を受けようが、ボクはこれを通じて神を信じ讃え、愛を語り、生命の美しさ、人生の尊さを具現していくのだ。(by マッスル北村)

極限の肉体を追求して止まぬ心、決して限界を認めぬ心。この心が今日までのボディビルの歴史を築いてきたのであり、未来をクリエイトしてくのだ。(by マッスル北村)

ボディビルの神髄は心と肉体の調和にこそある。
内面から迸るオーラの輝きを持たない肉体は、何の感動も魅力も伴わない。(by マッスル北村)

こんにちは。くまそです。
ボデイビルに興味がある人に、尊敬するボデイビルダーは誰か?という質問をすると、「マッスル北村さんです」と答える人は多数いると思います。そして、ボデイビルに興味が無い人も、北村さんの名前を聞いた事がある人も居るかもしれません。

簡単な経歴は下記参照。


マッスル北村(本名:北村克己)
1960年 10月6日生まれ
東京学芸大学付属小学校・中学校・高校 卒業
東京大学 理科Ⅱ類  中退
東京医科歯科大学 医学部 中退
1983年 ミスター関東学生大会 優勝
1984年 ミスター関東 優勝
1985年 ミスター東京 優勝
1985年 ミスター全日本実業団 優勝
1985年 ミスターアジア ライトヘビークラス 優勝
1986年 ミスターパシフィック 優勝
1986年 ミスターオールジャパンチャンピオンシップス 優勝
1990年 WABBA世界選手権 世界4位入賞
1999年 WABBA太平洋世界選手権 総合優勝
1999年 NPCトーナメント・オブ・チャンピオンズ ヘビー級3位入賞


現役で早稲田理工と防衛医科大学に合格しながら、二浪し東京大学理科II類に合格。東大でボデイビルに出会う(実際には浪人時代にボクシングを始め、補強として通い始めた御徒町の老舗名門ジム、サンプレイに通う中でボデイビルダーと出会い、興味を持ったらしい)。その後、勧められるがまま50kg台の、所謂「健康的な体」で出た、関東学生選手権で惨敗。
大会後、兎に角体を大きくしようと、卵を1日20-30個、牛乳を2-3リットル、鯖の缶詰を3缶、加えてプロテインの粉末300gを毎日摂取。
又、鶏肉を生でミキサーにかけペースト状にしたものを大量に摂取し、消化剤で強引に体に吸収させていたとの事。
結果、ボディビルを始めて僅か10か月で40kgの体重増加に成功。わずか1年程で96kgまでの増量に成功し、2年後の関東学生選手権を圧倒的実力で優勝。



その後は上記の輝かしい成績を残されたのですが、「規格外」の一言に尽きます。素晴らしい学歴もさることながら、ボデイビルダーとして常軌を逸した努力をされた方で、流石にコレはマネをしようとしても、多分誰も出来ないと思います。

先ず食事ですが、上記の紹介にも有る様にとにかく体を大きくする為、北村さんは食べまくりました。
有名な動画をいくつか貼りますが、卵の白身20個分にアーモンドエッセンスを加え飲む。冷凍ササミをミキサーで砕いて飲む。自家製の牛筋丼を作った後に、小松菜と生の鶏胸肉をミキサーにかけて飲む。なんか良く分からないけど、パスタを食べまくって、夜は鶏胸肉を生で食う、と全く意味が分かりません。

これらは当然ながら冗談でやっている訳ではありません。全ての行為が筋肥大の為です。

確かに筋肉をつける為には、糖質とタンパク質を沢山取る必要があります。ただ、我々は幼い頃から何らかの食材が加工、調理されたモノを食べ、それを「食事」と呼んでいます。

その幼少期よりの概念を「体を大きくするのに必要だから」という理由で吹き飛ばし、必要な食材を胃袋におさめる事のみに集中するというのは、異常な目的意識です。




食事シーンも衝撃的ですが、トレーニングは更にその上をいく凄さです。
片側100kgのショルダープレスを12発。その後ダンベルを無理矢理マシンに引っ掛け、片側120kgにて6発。72kのダンベルでワンハンドプレス。
90kgの加重ディップス、72kgのコンセントレーションカール、もはや何kgなのか全く分からないチェストプレスと、もはや漫画としか思えない絵になっている、普通の人なら多分死ぬレッグプレス。

筋トレをやった事がある人は分かるかも知れませんが、30kgのダンベルを手に持ち上に押し上げる事すら、普通は最初から出来る事ではありません。
加重はおろか自重でのディップスすら殆どの人は出来ません。

又、筋トレの重量を伸ばすというのは中々簡単な事では無いです。北村さんが片方120kgで挙げているマシンのショルダープレスはやった事がないので、ダンベルのショルダープレスとの比較にはなりますが、私が半年かけて伸ばした重量はたった片側5kgです。

北村さんも東大入学時は50kg台と、普通の人より体重は軽い部類です。
そんな人がこんな信じられないくらいの重量を挙げられる様になるには、気が遠くなる様な努力をこなしたはずです。





これら動画はちょっと笑いの対象になったりしている場合も有りますが、ここまで目的に対し真摯に、全身全霊をかけて取り組むという姿には、尊敬を超え、人類の無限の可能性を感じてしまいます。


私はちょっと辛い事があるとこれらの動画を見る事が有ります。何故これらの動画を見てしまうのかは何とも言語化出来ないのですが、人が強い思いをぶつけ続けた神社やお寺なんかにいくと気が引き締まるのと同じで、動画から溢れる、北村さんが発する巨大なエネルギーが人を元気にさせるのだと思います。


2000年に大会の為減量をしていたマッスル北村さんは、低血糖で帰らぬ人になってしまっています。

しかし2020年9月のIRON MAN表紙を飾るなど、死後20年経った今も北村さんの発したエネルギーは、筋トレを愛する人達の心に残り続けています。
沢山の才能あるボディビルダーが出てきていて、様々なカテゴリーの選手が出てきている中、これは本当に凄い事だと思います。

f:id:kumasogengoro:20210121222412j:plain


最後に北村さんの名言を貼り付けますが、少なくとも私にとっては、北村さんは心の医者で有り、何度も勇気を貰いました。

ボディビルという競技で、沢山の人に影響と勇気を与えた人。マッスル北村さんの話しでした。



ボクはボディビルを通じて万人を勇気づける心の医者になりたいと願っていた。





ではでは。ベロベロばあ。